2016年11月10日木曜日

腕時計型心拍数計の緑色LED(単色光)は安全か?

最近、ジョギングやウオーキングをする人が本当に多くなりました。

それに伴い、ジョギングには「GPS機能付き腕時計」が大人気です。もっと気軽に日々の活動量や睡眠量を知るためには「腕時計型の活動量計」の人気が高いようです。

これらGPS腕時計や活動量計腕時計では、「心拍数を腕で簡単に測れる」光学系心拍計の機能が付いた製品が最近の主流です。この機能が付くと少し高価になりますが、国内外多くのメーカーが上位機種として出しています。

口コミや製品レビューでもすごくお勧めの機能として紹介されています。

Kanikamaもこの機能がついた腕時計型活動量計のFitbit HR を買いました。平常時や運動時の心拍数がリアルタイムで確認できます。スマホアプリと連携すれば睡眠の深さも心拍数の変化からグラフ化されるのでとても面白いです。

しかし、初めは面白いのですが、自分の日頃の心拍数がだいたいわかるようになると意外とすぐ飽きる機能でもあります(個人的感想です)。

さて、前置きが長くなりました。これからが本題です。この最新の技術では、腕時計の裏面から手首に緑色LED光を照射し続けます。

血液の色が赤いのは赤色光を反射するためですが、一方で血液は緑色光を強く吸収します。 この原理を利用して心拍数を図ります。詳しい理論は各メーカーのHPで紹介されています。

さて、ここで素朴な疑問が生じます。「いろいろな色が混合している自然光ではなく、緑色の単色光だけをヒトの手首(血管・赤血球)に、24時間1日中、照射し続けても安全なのでしょうか?」


この疑問に対する一般的な反応は、

(1) 緑色光は優しそうな色だから人体に害はないのでは? 

(2)各メーカーは緑色光はエネルギーレベルが低いと言ってるし、製品を発売しているということは、安全が証明されているからでしょう? 

というのが一般的な印象だと思います。しかし、どうやらそうでもないようなのです。

Kanikama も当初は何も気にせず製品を買いました。しかし買ってみてわかったのですが、

1)腕に照射される緑色LED光は、レーザーポインターのように鋭い光で、目視できないほどです。少しびっくりしました。

2)使い続けるうちに光が当たる皮膚周辺が少しヒリヒリするような不快感が出ました。

個人差もあるでしょうし、その不快感が緑色LED光と関係あるのか、別の理由なのかよくわかりません。しかし、今まで何も考えずに使用し続けたことを少し反省し、わかる範囲で自分でも調べてみました。

そしたら、「えっ、ホンマでっか!」と驚くような研究報告がたくさん出てきましたのでご紹介します。青色と緑色は波長が近くエネルギーレベルも近いので両方について書きました。


①「従来、可視光領域は安全と言われてきたが、全ての電磁波は毒性がある(北里大学 宮田幹夫名誉教授)」

~波長のかなり短い紫外線や、逆に波長の長い赤外線なら副作用も理解できますが、中間領域の可視光でも各々の電磁波には固有の毒性があるとは知りませんでした。びっくりです。

②青色LED光「昆虫に対し強い殺虫効果。遺伝子毒性あり(2014)(東北大学 堀教授 ) 」

~青色光に虫を殺すほどの強い作用があるとは驚きです。遺伝子に悪さをするということは昆虫だけでなく人にも悪影響あるかもしれません。

③「青色光は人の目の網膜に障害作用あり。緑色光では出なかった(2014)(岐阜大学 原教授)。」

~テレビやパソコンからは青色電磁波が比較的多く出るようなので、メガネのレンズはやはりブルーライトカット仕様にした方が良さそうです。

(上図)れんず屋ホームぺージ参照


④「青色415nmの波長の照射で、照射量依存性に皮膚の構成細胞がアポトーシス(細胞死)に陥り、細胞増殖抑制に働く事が判明した(2014)(宮脇氏他、愛媛大学医学部附属病院)」

~青色光で皮膚の細胞死が起きるとはびっくりです。緑色光の実験もして欲しかったです。

⑥「緑色光でトマト果実が肥大した。原因は、緑色光がトマトのサビダニの発生を抑制したから。緑色光はイチゴのハダニの発生も抑制する(岐阜農業大学)」  

~青色光のみならず、緑色光も虫に強いダメージを与えるようです。緑色は青色の次に波長が短い色なので効果も近い印象です。

⑦「マツカワ(大型のカレイ)が緑の光で早く成長することを発見(2008年)(北里大の高橋明義教授、魚類分子内分泌学)」。原因は、目の網膜が特に緑の波長の光を感知しやすいうえ、緑の光を浴びると、脳内では食欲増進作用のあるメラニン凝集ホルモン、血液中ではアミノ酸を体に取り込ませるインスリンが、それぞれ増えることが分かった。その後、北里大学と水産技術センターらの研究でも、マコガレイの養殖稚魚が緑色LEDを照射すると白熱灯に比べ、体重で 1.4倍になることを確認している。

〜 緑色光で魚の体重が1.4倍になるとはすごいです。例えば、60kgの標準体重の人が84kgの肥満になるみたいな? ホルモンバランスが崩れ肥大化したカレイは健康なのか心配です。

人工的に単色光のみを与え続けると、やはり自然光(混合色)とは違う生体反応が起きるわけですね。

緑色光を人の皮膚・血管・赤血球などに照射した時の安全性についての研究報告がないか探しましたが、今回は見つかりませんでした。 メーカーさんならご存知だろうと思いF社に問い合わせました。しかし「製品は安全です」というご返事のみで、その理由や根拠については参考文献も含め、何もご回答を頂けませんでした。残念です。

結論です。青色光も緑色LEDも産業上はとても有益です。一方で、生物に有害な作用もあるようです。

LED光の産業への応用研究は活発ですが、人への安全性に関する研究はこれからの課題かもしれません。

つまり今回 kanikama が調べた範囲では、緑色LED光は安全だとは断定できませんでした。安全性に関する公開されているデータが不足で白とも黒とも言えない。「灰色」という印象です。

最後に、ずばり本音です。

kanikamaは個人的に皮膚への不快感もあったので、LED光を肌に照射し続けることは止めました。 ランニングで、どうしても心拍数を測りたいときは(ほとんどありませんが)、従来の胸バンドにします。胸バンドは少し面倒ですが価格はより安くて、精度はより高いです。

各企業では、光学系心拍計の無い、リーズナブルな価格のランニングウオッチも出しています。ガーミン社なら、フォアアスリートのベーシックモデル、及び他の機能が充実しているフォアアスリート220J、230Jです。必要な機能だけを選ぶのも賢い選択と思います。




28 件のコメント:

  1. 興味深い記事ありがとうございます。
    当方も腕に日焼け(軽いやけど)のようなものが出きて気になってたので参考になりました

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    1. コメントありがとうございます。同じような症状ですね。参考になります。

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  2. 光が気になる方は、シールなどでブロックされてはいかがでしょうか…

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    1. コメントありがとうございます。

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  3. 左手首に違和感を感じます。丁度,スマートウォッチを着けるようになってからのように思いますが…。緑のレーザー光が気になります。気のせいでしょうか。

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    1. コメントありがとうございます。僕も初めは皮膚の違和感から始まりました。

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  4. 貴重な記事、ありがとうございました。私も、10日間程使用した結果、直径約1.5cm程度、皮膚の表面の皮がむけ、内部も赤く炎症を起こし、全く痛みや違和感を感じなかったので驚きました。すぐに使用をやめましたが、4~5日経ってもまだ跡が残っております。安全に支障ないとの事ですが、私は自分の体に起きた事実から、そうは思えません。
    この様な症状がなければ、母親に勧めようと思っていたので、残念です。

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    1. コメントありがとうございます。僕も皮膚炎のように赤くなりました。なので他の人には薦めていません。特に皮膚が敏感だったりアレルギー体質の人は注意が必要かもしれませんね。貴重な体験談ありがとうございました。

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  5. 装着歴半年ほどですが左手首から先に違和感と痛みを感じ、もしかしたらと思い装着を止めて半月です。少しずつですが改善してます。
    個人差は有ると思いますが注意が必要です。

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    1. コメントありがとうございます。すぐには発症しなくてもじわじわと悪化する場合もあるわけですね。貴重な体験談ありがとうございました。

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  6. 使用2日目で赤く炎症を起こし、かゆみも伴いました。
    体に良くないことは間違いないようです。

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    1. バッチさんコメントありがとうございました。すぐに症状の出る場合もあるわけですね。貴重な体験談ありがとうございました。症状が早く出る人、遅く出る人、個人差はあると思いますが、メーカーさんは販売後もリサーチをして、肌に合わない人もいることを注意書きしてくれるといいですね。

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  7. 全く何とも有りません。しかし緑のレーザーには驚きました。ただ、昔複雑なアナログの測定器を使っていたのが、結構正確で参考になるので、継続中。よく止まって、機能していない時間が長いので、大丈夫でしょう?

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  8. コメントありがとうございます。割合としてはunknownさんのように違和感を感じない人の方が多いだろうと推測します。一方で、今は違和感を感じなくてもunknownさんのように、ほどほどの使用頻度が良いと思います。自然光の太陽光でも過剰の日焼けや長時間の暴露は加齢と共に皮膚のシミやがんのリスクを高めます。新しく作った人工的な光に対する人体の防御反応はまだ不明です。なので今後加齢と共に健康被害が出るリスクを減らすために、長時間の使用は避けたほうが安心と個人的には思います。カニカマはもし買うなら緑色LED光を自分でオン・オフ選択できる製品を調べて選びます。ちなみにアップルウオッチは自分でオン・オフが出来るそうです。私には高くて手が出ませんが。

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  9. 1つ気になったのですが、ブルーライトが目に障害をきたすなら、青空がまさにブルーライトなので
    人類(というか人間と同じような構造の目を持つ生物全般)は作られた時点でどうにもならないのでは?と。
    なのでブルーライトに過敏に反応するのはよくないと思ってます。まぁ、夜中にブルーライトを浴びると日中だと勘違いして不眠の原因になったりはあるというので、夜はカットすることに越したことはないですが。

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    1. コメントありがとうございます。確かにブルーライトに関しては、国内外の眼科医や研究者の間でもいろいろ異なった意見があるようです。今後の研究の進展に期待です。

      何事もメリット、デメリットの両面があるので、おっしゃるとおり、どちらかに過剰な反応をするのは良くないですね。特に各々のビジネスが絡むと、ブルーライト危険派も安全派も極端になりがちです。

      ヒトの身体の機能は、自然光全体を活用しそれに適応するように進化してきました。つまり、人工的に取り出された単色光だけを特定の細胞組織に浴びることに人の身体や細胞は進化の過程で慣れていません。それがこの数年の製品化で急に起こっている。その事実に皆さんが改めて気付いてくださればこのブログの記事は書いてよかったと思います。

      大事なことは、メリット、デメリットの両面を知った上で、自分の頭で考え、必要な人は利用すれば良いし、そうでもなければ安全策をとるのも良しと思います。貴重なご意見ありがとうございました。

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  10. 私も、青色発光ダイオードが発明された当初は、テレビも明るくなっていいねと思っていましたが、今はテレビもパソコンもスマホもブルーライトカットにしています。脈拍測定のできる活動量計も、原因の分からない蕁麻疹が出来るようになった(血液の免疫機能に変化をもたらしているのでは?)ので、今は発光を停止させています。酸素濃度計は赤色LEDですが脈拍も測れますので、赤色LEDを使った活動量計が作れるのではと思っていますので、どこかのメーカーお願いします。

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  11. コメントありがとうございます。私も赤色の蕁麻疹が腕の装着部位にできたので止めました。同じ症状ですね。

    なるほど。赤色でも技術的には脈拍を測れるわけですね。あるメーカー(ローム株式会社)のHPを見ると、ランニングなど室外使用には太陽光の影響を受けにくい緑色が良いが、室内用なら赤色でも測定可能と書いてありました。人により使用目的は違うし、光の感受性も違うので、いろいろなタイプの製品が出ると興味深いですね。メーカーにメールしてお願いするのも一案です。

    興味深い情報とコメントありがとうございました。

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  12. 貴重な情報をありがとうございます。
    腕時計型のライフログ計を購入しようかと検討中なのですが、緑色の光(光学心拍計)をオフにしたらヒリヒリするような不快感はなくなったり、ましになったりしましたか?

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  13. コメントありがとうございます。私の経験は、初代のFitbit charge HR が出た時(今から4~5年前?)なので少し古い話になり恐縮です。確かFitbit charge HRは腕に装着すると自動で緑色光がONされ 、腕から外すと緑光がOFFになる自動設定になっていた製品と記憶しています。なので、皮膚に違和感が出た時は、私はすぐ腕から外していました。腕から外せば、しばらく(程度により数時間から数日)して治り、再度腕に装着するとまたひりひり感が再発しました。そういったことを何度も繰り返したので私の場合はやめてしまいました。なお、最近の機種を調べるとライフログや時計を腕につけたままで、スマホから緑色光を任意にON/OFFできる機能があるようです。(ひょっとすると、初代のFitbitも出来たのかもしれませんが、そういった便利な機能は当時まだ知らず機種を腕から外していました)。腕にはめたままON/OFF出来る最近の機種で試して、自分はどうか比較すればそれも興味深いと思います。但し、短期的に皮膚に違和感が出なくて大丈夫な人でも、中長期的にONしっぱなしにするのは避けたほうが無難な気もします。健康志向も目指しすぎるとかえって害です。個人的な意見と老婆心で恐縮です。ご参考まで。

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  14. 私はアレルギー体質(昔カニやエビでのどが痒くなる)のせいか、皮膚の弱いところに蕁麻疹が出て、皮膚科で花粉症と同じ薬タリオンをもらって暫く飲んでいました。この蕁麻疹はお医者さんでも原因が分からないらしい。血液がなにか活性化されて出るようになる気もするが、蕁麻疹は免疫に関係することなので難しい。しかし、また緑発光をさせて、蕁麻疹が出るようになるか確認したいが、今のところその勇気が無い。

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    1. fumiyaさんコメントありがとうございます!私も強めにひっかく刺激で皮膚が赤くなる蕁麻疹がでるので、そのお気持ちはよく理解できます。

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  15. 私も、24時間体温が記録できるスマートウォッチをつけ始めて3日目、時計の当たる部分がヒリヒリし始めました。1週間経過すると、今度は皮膚の内側(肉の部分)にも鈍い痛みが出てきたように感じ、
    もしかしてこの緑の光のせいではないかと不安になり、検索してこのページに辿り着きました。
    害があると立証される実験結果はなくても、安全と立証されるデータもないなら、気を付けるに越したことはないですね。
    タイマーや着信通知など、便利な機能も多いので、リストバンドをつけた上からスマートウォッチを装着すれば、人工的な光が遮断されて心配なくなるでしょうか?

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    1. コメントありがとうございます!おっしゃるとうり、気を付けるに越したことはありません。

      私と同じでヒリヒリするということはアレルギー反応や炎症反応かもしれませんね。人間の身体は進化の過程で人工的な単色光の刺激には慣れていないはずですから。

      さて、製品によっては、スマホ側から緑色LED 光をオン・オフ切換えが出来るスマートウォッチもあるようです。それが出来れば解決ですが、もしオフ機能がない製品ならリストバンドや、テープなどで光を遮るのは良いアイデアですね。役立つアイデアを書いてくださりありがとうございます!

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  16. 自分は数年前に緑色LEDセンサーで脈拍を計測できるタイプのガーミンのスマートウォッチを購入し、
    24時間脈拍の記録採ってみようと入浴時以外時計を装着したままで過ごしていました。
    2日くらい経った頃から若干装着部分に痒みが現れて、1週間経つ前には水ぶくれのような腫れ(ただし硬い)と
    酷い痒みが現れた為、なんとなく脈拍センサーが怪しいと当たりをつけて時計の装着を辞めて売り払いました。
    患部が元の状態に戻るまで半月は掛かったように記憶しています。

    インターネット掲示板でこのような症状が出たと書き込みしても、
    それはお前がおかしいだけ、金属アレルギーだ、そんな症状聞いたことが無いと全く相手にされませんでしたが、
    なんとなく今になって検索してこの記事に辿り着き、同じ思いをした人がいたんだなとちょっと安心しました。

    自分自身は肌が日光に対して弱く、真夏の直射日光を浴び続けると1時間も経たずに赤くなりヒリヒリ痛むような体質です。
    あれ以来緑色LED照射センサーを使用した製品は同じ目に会うのが目に見えてるので購入する気が起きません…。

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    1. 貴重な体験とコメントありがとうございます。皮膚への違和感、かゆみ、炎症など、同じ様な経験をしている人は結構多いですね。緑色単色LED光は人工的に作られた光なので生体が拒否反応をするのはある意味自然なことだと思います。個人によって症状がすぐに出るか?、長期間暴露した後にじわじわ慢性的に出るか?、そして強さの差などの違いはあると思いますが。自分の身は自分で守るしかありませんね。

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  17. 1年ほど前に緑色LEDの脈拍計がついているスマートウォッチを1か月程装着していました。入浴時以外はほぼ着けっぱなしの状態でしたが、発光部が接する手首内側の皮膚の薄い部分にかぶれと強いかゆみがおこったため、装着をやめました。

    普通の腕時計ももっと長期間身につけていますが、こちらは何も問題は起きていせん。汗や不潔ということは無いように思います。

    それ以来、なにかのはずみで患部を刺激すると強いかゆみがぶり返し、発疹のような痕は消えていません。LED光の照射によって遺伝子が傷つけられ、皮膚細胞が元通りに再生しなくなってしまったのでしょうか。こんなに長くかぶれが治らなかったことはありません。

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    1. コメントと貴重な体験談ありがとうございます。なかなか治らないのは心配ですね。刺激すると強いかゆみがでるのは私も同じでした。遺伝子レベルかどうかは難しい問題ですが、少なくとも刺激が引き起こすアレルギー性の炎症が皮膚層か体内で起きていることは間違いなさそうです。ついでにあくまで私個人の場合ですが、皮膚科のsteroid軟膏も使ってみましたが、それより家にあった市販の炎症止めの内服薬(アスピリン系頭痛薬)のほうが私のかゆみや炎症には効果があったと記憶しています。ご参考まで。

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