2016年11月21日月曜日

不思議な胃腸薬

kanikamaも年齢による胃もたれもあり胃の消化力不足が気になりました。

そこで今回は、消化酵素と生薬が入っている日本の胃腸薬の代表とも言える「第一三共胃腸薬細粒(第一三共)」と「パンシロン(ロート製薬)」を買って、本当に効果があるのか試してみました。


さて、薬は効いたのでしょうか? 結果を 正直に言うと、どちらの薬もkanikamaには効果がありませんでした(個人的感想です)。 実は消化酵素にかなり期待して買ったので少し残念でした。

先ず、薬を服用した目的であった「消化酵素力」の効果がほとんど実感できませんでした。そしてもう一つ気になった点は、薬がほとんど水に溶けなかったことです。

実はどちらの薬も飲んだ直後は胃がスーとして一時的には気持ちが良くなります。しかし、それはメントールが配合されてるための一時的な「感じ」です。それで薬が効いたと勘違いする人もいますが、その後はすぐに元の重い症状に戻ります。

それで数日飲み続けていたある日、粉状(細粒)の薬は飲みにくかったので、試しに薬を水に溶かしてみました。

そしてびっくりしました、、、いくらかき混ぜても薬が水に溶けない! なんと、お湯にも溶けない!!ヌルヌルベトベトした茶色の沈殿物がたくさん底に沈んでいました!!! 

これは何?という感じです。
こんなに多くの沈殿物が薬の主成分とは思えません。 
水にもお湯にも溶けないドロドロは見た目も悪く、胃が重くなりそうになりました。

消化が弱った胃に、溶けないものを大量に飲んでいたわけです。
う~ん、かなり笑える話です!

溶けない「消化胃腸薬」を消化する胃は大変だ!
興味が出てきたので、少し自分で調べてみることにしました。

この薬は、お湯に溶けなくてもアルコールには溶けるのでは?
試した結果、77%アルコールにも溶けずにやはり沈殿が多く出ました
う~ん、少し怖くなってきた!(笑) 

胃腸薬にエタノールを加えたが溶けない沈殿が多い

胃腸薬だから、胃液に近い酸では溶けるのでは?
しかしその期待も裏切られ、胃酸とほぼ同じpH2.5の酸性にしても溶けませんでした。

実は、この薬を水やお湯に溶かした液を調べたところ、強いアルカリ性(pH8.5)を示しました。つまり胃酸が出過ぎて胸やけする人のために、胃酸を中和出来る強いアルカリ液の胃薬にしたのでしょう。

しかし、胃酸を中和することは、体が本来持つ消化機能と消化酵素のペプシン(酸性で働く)の働きを抑えることにもなります。「消化促進胃腸薬」の目的としては大きな矛盾を抱える薬と言えます。

次に、不溶物を、酸性溶液〜中性〜アルカリ性にして溶かしてみましたが、どのpHでも溶けませんでした。

マジか!という感じです。

食品ならウンチで出せば良いのですが、薬としては少し疑問です。溶けない成分がこんなにたくさん入っている胃腸薬って何か不思議です。賦形剤とか繊維類、または生薬の残渣でしょうか?

それにしても多過ぎませんか(写真下は、薬1包分の不溶物)。

全部速やかに大便となり身体から出てくれればまだ良いのですが、、、
溶けないままヘドロのように胃壁や腸壁にしばらく残ったりしたらいやですね。

胃腸薬を胃液に近いpH2.5の酸性にしても溶けない沈殿が多い

kanikamaの結論です。 今回試した総合胃腸薬(生薬・消化酵素入り)は効果が弱く、また不溶物が多い印象です。いろいろな添加物も入っていて、かえって胃の負担になりそうですね。薬を飲むより普通のお湯を飲んでゆっくり胃を休めたほうが良さそうです。


ちゃんと水に溶けて胃に負担が少なく、消化能力も高い胃腸薬なら中高年にとって期待の薬です。薬メーカーさん宜しくお願いします。

2016年11月10日木曜日

腕時計型心拍数計の緑色LED(単色光)は安全か?

最近、ジョギングやウオーキングをする人が本当に多くなりました。

それに伴い、ジョギングには「GPS機能付き腕時計」が大人気です。もっと気軽に日々の活動量や睡眠量を知るためには「腕時計型の活動量計」の人気が高いようです。

これらGPS腕時計や活動量計腕時計では、「心拍数を腕で簡単に測れる」光学系心拍計の機能が付いた製品が最近の主流です。この機能が付くと少し高価になりますが、国内外多くのメーカーが上位機種として出しています。

口コミや製品レビューでもすごくお勧めの機能として紹介されています。

Kanikamaもこの機能がついた腕時計型活動量計のFitbit HR を買いました。平常時や運動時の心拍数がリアルタイムで確認できます。スマホアプリと連携すれば睡眠の深さも心拍数の変化からグラフ化されるのでとても面白いです。

しかし、初めは面白いのですが、自分の日頃の心拍数がだいたいわかるようになると意外とすぐ飽きる機能でもあります(個人的感想です)。

さて、前置きが長くなりました。これからが本題です。この最新の技術では、腕時計の裏面から手首に緑色LED光を照射し続けます。

血液の色が赤いのは赤色光を反射するためですが、一方で血液は緑色光を強く吸収します。 この原理を利用して心拍数を図ります。詳しい理論は各メーカーのHPで紹介されています。

さて、ここで素朴な疑問が生じます。「いろいろな色が混合している自然光ではなく、緑色の単色光だけをヒトの手首(血管・赤血球)に、24時間1日中、照射し続けても安全なのでしょうか?」


この疑問に対する一般的な反応は、

(1) 緑色光は優しそうな色だから人体に害はないのでは? 

(2)各メーカーは緑色光はエネルギーレベルが低いと言ってるし、製品を発売しているということは、安全が証明されているからでしょう? 

というのが一般的な印象だと思います。しかし、どうやらそうでもないようなのです。

Kanikama も当初は何も気にせず製品を買いました。しかし買ってみてわかったのですが、

1)腕に照射される緑色LED光は、レーザーポインターのように鋭い光で、目視できないほどです。少しびっくりしました。

2)使い続けるうちに光が当たる皮膚周辺が少しヒリヒリするような不快感が出ました。

個人差もあるでしょうし、その不快感が緑色LED光と関係あるのか、別の理由なのかよくわかりません。しかし、今まで何も考えずに使用し続けたことを少し反省し、わかる範囲で自分でも調べてみました。

そしたら、「えっ、ホンマでっか!」と驚くような研究報告がたくさん出てきましたのでご紹介します。青色と緑色は波長が近くエネルギーレベルも近いので両方について書きました。


①「従来、可視光領域は安全と言われてきたが、全ての電磁波は毒性がある(北里大学 宮田幹夫名誉教授)」

~波長のかなり短い紫外線や、逆に波長の長い赤外線なら副作用も理解できますが、中間領域の可視光でも各々の電磁波には固有の毒性があるとは知りませんでした。びっくりです。

②青色LED光「昆虫に対し強い殺虫効果。遺伝子毒性あり(2014)(東北大学 堀教授 ) 」

~青色光に虫を殺すほどの強い作用があるとは驚きです。遺伝子に悪さをするということは昆虫だけでなく人にも悪影響あるかもしれません。

③「青色光は人の目の網膜に障害作用あり。緑色光では出なかった(2014)(岐阜大学 原教授)。」

~テレビやパソコンからは青色電磁波が比較的多く出るようなので、メガネのレンズはやはりブルーライトカット仕様にした方が良さそうです。

(上図)れんず屋ホームぺージ参照


④「青色415nmの波長の照射で、照射量依存性に皮膚の構成細胞がアポトーシス(細胞死)に陥り、細胞増殖抑制に働く事が判明した(2014)(宮脇氏他、愛媛大学医学部附属病院)」

~青色光で皮膚の細胞死が起きるとはびっくりです。緑色光の実験もして欲しかったです。

⑥「緑色光でトマト果実が肥大した。原因は、緑色光がトマトのサビダニの発生を抑制したから。緑色光はイチゴのハダニの発生も抑制する(岐阜農業大学)」  

~青色光のみならず、緑色光も虫に強いダメージを与えるようです。緑色は青色の次に波長が短い色なので効果も近い印象です。

⑦「マツカワ(大型のカレイ)が緑の光で早く成長することを発見(2008年)(北里大の高橋明義教授、魚類分子内分泌学)」。原因は、目の網膜が特に緑の波長の光を感知しやすいうえ、緑の光を浴びると、脳内では食欲増進作用のあるメラニン凝集ホルモン、血液中ではアミノ酸を体に取り込ませるインスリンが、それぞれ増えることが分かった。その後、北里大学と水産技術センターらの研究でも、マコガレイの養殖稚魚が緑色LEDを照射すると白熱灯に比べ、体重で 1.4倍になることを確認している。

〜 緑色光で魚の体重が1.4倍になるとはすごいです。例えば、60kgの標準体重の人が84kgの肥満になるみたいな? ホルモンバランスが崩れ肥大化したカレイは健康なのか心配です。

人工的に単色光のみを与え続けると、やはり自然光(混合色)とは違う生体反応が起きるわけですね。

緑色光を人の皮膚・血管・赤血球などに照射した時の安全性についての研究報告がないか探しましたが、今回は見つかりませんでした。 メーカーさんならご存知だろうと思いF社に問い合わせました。しかし「製品は安全です」というご返事のみで、その理由や根拠については参考文献も含め、何もご回答を頂けませんでした。残念です。

結論です。青色光も緑色LEDも産業上はとても有益です。一方で、生物に有害な作用もあるようです。

LED光の産業への応用研究は活発ですが、人への安全性に関する研究はこれからの課題かもしれません。

つまり今回 kanikama が調べた範囲では、緑色LED光は安全だとは断定できませんでした。安全性に関する公開されているデータが不足で白とも黒とも言えない。「灰色」という印象です。

最後に、ずばり本音です。

kanikamaは個人的に皮膚への不快感もあったので、LED光を肌に照射し続けることは止めました。 ランニングで、どうしても心拍数を測りたいときは(ほとんどありませんが)、従来の胸バンドにします。胸バンドは少し面倒ですが価格はより安くて、精度はより高いです。

各企業では、光学系心拍計の無い、リーズナブルな価格のランニングウオッチも出しています。ガーミン社なら、フォアアスリートのベーシックモデル、及び他の機能が充実しているフォアアスリート220J、230Jです。必要な機能だけを選ぶのも賢い選択と思います。